Pop Meets Jazz Vol.1
2006.02.05
原宿クエストホール

会場にはS.Eで、PERSONZ/PSY・S/TM NETWORK/FENCE OF DEFENSEのヒット曲が流れている。少し懐かしい表情のオーディエンスも多数見受けられる。

開演時間を5分ほど回ったところでESAT QUEST QUARTETの面々がステージにあがり、バンドのオリジナル曲「Mr,D.G」を演奏し始めると会場は一気にジャズムードに。

そしてPop meets jazzをオーガナイズし、今夜はホスト役として出演もする西村麻聡(FENCE OF DEFENSE)が登場し、このイベントについての趣旨を語り、 記念すべきVol.1のトップバッター、PERSONZのボーカル、JILLを招きいれる。

 
 

JILL (PERSONZ)

M-1 7Colors
M-2 TWO HEART
M-3 PRECIOUS LOVE
M-4 MAYBE CRAZEE
M-5 DEAR FREINDS

少し緊張した表情のJILL。オーディエンスも固唾を飲んで、JILLを見守る。「一体、このイベントはどんなイベントになるのだろうか?」と。そんな緊張感の中、ボサノバのリズムで始まったイントロは、いきなり「7colors」である。「PERSONZの曲であって、PERSONZではない」そんな不思議な気持ちになる斬新なアレンジだ。ゆったりとしたサウンドに、彼女のアタック感の強いボーカルが非常にマッチしている。この瞬間、大多数のオーディエンスは、このイベントの主旨を理解したに違いない。「アーティスト/楽曲のいつもと違った魅力をJazzを通して発見するのだ」と。PERSONZ結成21年。いつもの飛んだり跳ねたりのLiveとは違い、「大人の方々に囲まれ、緊張する」と言いながらも、ROCKボーカリストとしての存在感ある歌声で時には色っぽく、時にはしっとりと観客を魅了していく。特筆だったのは、「PRECIOUS LOVE」のバラードバージョンだ。原曲の持つ壮大な魅力をより引き立たせてたアレンジだ。会場内が静まり返った後は、「MAYBE CRAZEE」「DEAR FREIENDS」で締めくくった。さながらPERSONZのヒットパレードの様なSet Listで、オーディエンスは1組目から大満足だった事だろう。

 
 

安則眞実 (CHAKA:ex-PSY・S)

そして次に西村が紹介したのはCHAKAこと安則眞実(ex-PSY・S)。安則は去年の西村のXユmas ソロLIVEでもゲストとして素敵な歌声を会場に響かせてくれていた(Pop meets jazz vol.0)が、今回はそれにも増して独自の存在感でオーディエンスをJazzワールドへと惹きこませた。特に安則は以前からEAST QUEST QUARTEのメンバー達と親交が深く、息の合ったLiveパフォーマンスを繰り広げている。安則はPSY・S解散後は、Jazzシンガーとして活躍しているのだが、その活動の中から今回は「My Favorite Things」や「Bye Bye Blackbird」等のスタンダード曲を披露。Jazzシンガーとしての魅力を十二分に発揮し、オーディエンスにJazzの楽しさを伝えていく。彼女の持論は「Jazzは楽しむものである」であるが、それを身をもって証明するかの様な楽しいステージだ。PSY・S時代の曲からは「Silver Rain」を唄う。

M-1 My old flame
M-2 Myfavorite things
M-3 Silver Rain
M-4 Bye bye blackbird
M-5 Thank you for everything

PSY・Sのデジタルサウンドとは正反対のJazzサウンドでの演奏でも変わらないのは、安則のボーカリストとしての実力に裏打ちされた魅力だ。最後は、安則のオリジナル曲「Thank you for everything」を唄いステージを去った。

 
 


そこで10分間の休憩をはさみ、今回の出演者4人が登場し、しばしトークタイム。西村は今回のイベントを企画して、まず最初にTM NETWORKの木根尚登にお願いしたところ、二つ返事でOKしてくれたとのこと。そして、このようなイベントを待っているボーカリストが他にもいるんじゃないかと確信したという。当の木根は、「だって、街を歩いていても、君の曲をジャズにしませんか?なんてなかなか言われないじゃん!」などと言って会場を笑いに誘う等、他のメンバーとも昔話に華を咲かせながら今回のイベントを楽しんでいる様子。
 
 
♪木根尚登 (TM NETWORK)

M-1思いではクレセント
M-2 H2O
M-3 君からのエアメール
M-4 月はピアノに誘われて
M-5 Hello Mr.Alone


10分程度のトークタイムが終わり、次はTM NETWORKの木根尚登が残り、「思い出はクレセント」からライブは再開。全体的に暖かい雰囲気でステージは進行していく。3曲目の「君からのエアメール」では、まるで曲の風景が目の前に広がっていくような錯角を覚えた。途中、「月はピアノに誘われて」というTMN時代の曲では入るタイミングを逃したが、バックのEAST QUEST QUARTETのSax高野が上手くフォローし、急遽Saxソロをアドリブ。Jazzの醍醐味を見せてくれた。曲が終わると「自分さえ焦った顔をしなければ、誰も気づかなかったのに…」と、それすらもトークのネタにしてしまう木根。この日も木根は、唄でトークでオーディエンスを沸せている。JILL/安則までは、ステージと客席が程良い緊張感に包まれていたが、トークを挟み木根のライブになる頃は会場内には、程よくリラックスした独特の空気が流れていた。どの様なシチュエーションでも木根ワールドにしてしまう、木根の暖かい人柄が伝わるステージとなった。ラストの「Hello Mr.Alone」を唄い切り、ステージを去って行く。
 
 
 

M-1 SARA
M-2 Lies&Reason
M-3 Juvinola
M-4 Luv dominannt
M-5 Loving You

♪西村麻聡 (FENCE OF DEFENSE)

木根がステージを去り、トリを飾るのはこのイベントのオーガナイザー、西村麻聡。やっと自分が唄う順番が回って来ましたとニコヤカに話す。開演の瞬間からオーガナイザーとしてイベントの成功を願っていた西村が、アーティストの顔に戻った瞬間だった。その彼がPOPS/ROCKとJazzの融合の可能性を感じるキッカケとなった曲「SARA」のJazzバージョンからライブはスタート。この曲は、このイベントのキッカケにもなったと言っても過言はないだろう。ほど良いスウィング感を感じるサウンドに西村のグルービーなボーカルが際立つ。確かに原曲とは、違った魅力が引き出されている。FENCE OF DEFENSEの「lies&reason」ではしっとりと、西村ソロからの「luv dominant」ではパーカッシブなピアノと西村のスキャットが絡む。少ない曲数とはいえ、楽曲により多彩な表情を見せる西村とEAST QUEST QUQRTETの面々。最後の「Loving YOU」では会場からの手拍子が自然と沸き起こり、ステージと客席が一体となった。その一体感の中でバンドもどんどんヒートアップ。エンディングが終了しても、また曲をスタートさせて、中々曲を終わらさせてくれない。照れ笑いの西村が印象的だ。会場にも笑みがこぼれる。そんな大円団の中、西村のライブは終了。

 
 
EAST QUEST QUARTET
Sax 高野正幹
Pf  青木弘武
Ba 藍沢栄治
Dr 滝幸一郎

鳴り止まぬ拍手の中、西村が再びステージに現れ、今日の出演者/EAST QUEST QUARTETを呼び込み、カーテンコールを行い、Pop meets jazzは幕を閉じた。
Jazzというジャンルの枠を超え、堅苦しさのない、気軽に聴ける、新たな音楽をこれからも届けてくれるに違いないと確信した一夜だった。

(貞真由美)

 
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